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LGBTをテーマにした映画『カランコエの花』の中川駿監督インタビュー
2018/11/03
 「うちのクラスにもいるんじゃないか」。とある高校2年生のクラスで、ある日唐突に『LGBT』についての授業が行なわれた――。LGBTをテーマにした映画『カランコエの花』。この短編作品は、LGBT当事者ではなく、周りの人たちの視線からLGBTを描いています。2017年・第26回レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)のコンペティションでグランプリを受賞。今年7月、新宿で1週間の限定上映の後、8月から渋谷で上映。映画を鑑賞した人たちが、SNSで感想などを拡散したことから、話題を呼び、ロングランヒットとなった。『カランコエの花』の中川駿監督に、作品に込めた思いなどを聞きました。

きっかけは「同性パートナーシップ制度」

 編集部 なぜ、LGBTをテーマにした映画を製作しようと思ったのでしょうか。
 中川駿監督(以下、中川) 2015年に、渋谷区で「同性パートナーシップ制度」ができて、いろいろなメディアで、LGBTやLGBTQという言葉が取り上げられるようになりました。
そこで私も興味を持って調べてみると、LGBTについての課題が多いことを知りました。
 そして、LBGTを題材にした映画を製作してみてはと思ったのです。
 ただ、私はストレートなので、当事者を主人公とするのではなくて、ストレートの目線で描くことにしました。

自身の反省を切り口に映画を製作

 編集部 撮影にあたって心掛けたことは何ですか。
 中川 私自身はLGBTに対して差別意識や偏見は持っていませんが、テーマがセンシティブなので、描き方によっては、当事者を傷つけるのではないかと悩んでいました。
 ある日、映画仲間に、その考え方が差別ではないかと指摘されました。
 その言葉にハッと気付かされて、過剰な配慮は必要ないという私自身の反省を切り口に映画を作れば、実り多いものになるのではないかと思い、撮影に入りました。

社会的なテーマなのでリアリティーを追求

 編集部 撮影は、実際の高校で行なわれたそうですね。
 中川 『カランコエの花』は社会的なテーマを扱った作品ですから、リアリティーが本当に大切になってきます。
 ですから、学校スタジオなどではなくて、生きた空間を借りることにこだわりました。
 都内だけではなく、地方まで範囲を広げる中で、話を聞いてくれる学校が現れて、企画趣旨を説明させていただきました。そうしたら、校長先生が賛同してくださって、場所や備品の貸し出し、エキストラの呼び掛けなど、全面協力を得ることができました。
 編集部 手持ちカメラで撮影することによって、リアリティーが増していますね。
 中川 お客さまが、一緒の空間にいるような、疑似体験ができるような絵づくりにこだわりました。
 また、台本はあるのですが、中心人物らについてはアドリブのシーンが多いですし、エキストラの学生も、ある程度の設定を伝えるだけで、細かく指導はしていません。
 だから、より自然なリアクションができているのだと思います。

映画にBGMはないがエンドロールに一工夫

 編集部 この作品には、BGMがないこともあって、独特の緊張感が漂っています。特にエンドロールには、意表を突かれました。
 中川 映画における音楽の使い方は、本当に難しくて、この作品については、初めから音楽は使わないという方針を決めていました。
 ただし、無音のエンドロールというのも、しんどい。そこで考えたのが、「恋ばな」を用いた、あの手法。苦手意識の産物ですね。

 他者に対してベターでベストな接し方探そう

 編集部 映画を通して訴えたいことは、何でしょうか。
 中川 差別や偏見がなくなって、同性・異性を問わず、好きなパートナーと自由に手をつないで歩くことができる社会になればいい。そのためには、マクロとして、政治や行政に、既存の法律や条例のせいで、差別を受けている当事者の気持ちを尊重した対応を望みたいですね。
 一方で、ミクロの視点も重要です。
 私は、この作品で、「こうでなければならない」という答えを提示していません。
 作品を見終わった人から、「もやもやした」「どうすればいいか、分からない」という感想もいただきます。
 この映画は、もともと私の反省に基づいたものですが、もやもやした感覚を大事にしながら、一人ひとりが他者に対して、ベターでベストな接し方を探していけばいいのではないでしょうか。

一人でも多くの人に作品が届いてほしい

 編集部 最後に読者に一言、お願いします。
 中川 上映館は少ないのですが、地方の映画館や自治体、団体からも問い合わせが来ています。三九分と短い作品なので、労組や企業の研修などでも上映していただいて、一人でも多くの人に作品が届けばと思っています。ぜひ、『カランコエの花』の「お水やり(同作品を鑑賞すること)」に来てください。

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