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NTT労組は、5月14日に、沖縄県内で沖縄本土復帰50年オンライン学習会を開き、沖縄国際大学大学院・前泊博盛教授の講演やパネルディスカッション(組織内・石橋みちひろ参議院議員、NTT労組弁護団・池宮城紀夫弁護士、九州総支部沖縄分会・仲宗根守史分会長、前泊教授)を行なった。今回は、そのもようを一部掲載する(NTT労組新聞6月4日号から)。
ディスカッションテーマ
沖縄の現状と問題点
基地のない 「平和な沖縄」へ
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2010年の初当選以来、参議院の委員会や議員連盟での活動を通じて、在日米軍の問題に取り組んできた。しかし、復帰から50年を迎えた現在でも、基地のない平和な沖縄は実現していない。そればかりか、辺野古の新基地建設や、石垣島・宮古島への自衛隊ミサイル基地の建設など、日米政府による県民の思いを無視した行動が続いている。日本は本当に主権国家なのだろうかと思わざるを得ない。
在日米軍について話し合う「日米合同委員会」の議事録は非公開で、国民にその内容が示されることはなく、私たち国会議員が追及しても開示されない。
一方で、国民の十分な理解が得られていないことも、問題解決を阻害する一つの要因と言える。これは、学校教育の中で、在日米軍が国民生活に与える影響について、教えていないからである。政治が基地問題の本質を隠し、国民から見えないようにしているのだ。
だからこそ、今の政治の体質を変えなければならないのであり、7月の参院選で三選を果たし、平和な社会づくりに努めたい。
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沖縄は今も「憲法番外地」
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私は、弁護士になって51年間、在日米軍基地問題や住民運動、裁判闘争に関わってきた。「還暦を迎えるころには沖縄基地も返還されているだろう」と期待していたが、現状は活動を始めた当時に比べてひどくなっている。
沖縄は、憲法が保障する基本的人権が否定されている、まさに「憲法番外地」なのである。
民主主義の基本は三権分立だが、沖縄では、司法と行政が機能せず、差別的な構造がいまだに続いている。
例えば、「嘉手納基地の爆音訴訟」では、日本の土地の上に米軍基地があるにもかかわらず、米軍がどう利用しても、それを止める権利は日本にはないという理屈がまかり通る。
どこの国であっても、その国家の憲法に基づいて、国が国民の人権を守り、国を統治している。
一方、日本は、戦後、憲法と「日米安保」という二つの統治権・法体系に置かれてきた。これでは主権国家と言えない。日本は、この二重の統治構造にあることを理解した上で、本当に三権分立が守られた民主主義国家であるかを、あらためて考えてみてほしい。
基地の「不経済性」立証済み
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メディアが、東アジア情勢やウクライナ問題を取り上げる影響で、基地や軍隊はなくてはならないという論調がある。これは、為政者の立場に立った考え方であり、戦争で犠牲になるのは、市民であることを忘れた当事者意識に欠けるものである。
沖縄では復帰後も米軍基地が残置され、復帰を契機に自衛隊も配置されるようになった。そして今、辺野古には新基地が作られ、さらに石垣島などに新たな自衛隊の基地が展開されようとしている。
一方で、沖縄における過去の米軍施設の返還とその後の土地活用等により、基地の「不経済性」は立証されている。普天間基地が返還されれば、三万人以上の雇用が生まれ、そうとうな経済効果も見込める。
跡地にテーマパークを建設するなど、夢を描いていけば変化をもたらす力となる。現状をただ追認するだけでは何も変わらない。
自衛隊については、国際的な災害救助や人道支援に特化した組織に変えていくべきである。そのことによって、日本は、戦争の危機や攻撃を回避できる国になると思っている。
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恒久平和実現・核兵器廃絶
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私は、復帰当時八歳。この50年で、交通インフラなどは整備されたが、県民所得は全国最下位のままで、子供の貧困も全国平均の二倍と、本土との格差は依然としてある。
また、在日米軍基地・専用施設の集中に加え、辺野古の新基地建設問題などにより、平和な島という願いはかなわず、県民の安心・安全は脅かされ続けている。
日本の安全を守るための日米同盟かもしれないが、さまざまな問題の根底には、アメリカ軍の優位性を規定する「日米地位協定」があり、これを抜本的に見直さなければならない。この「日米地位協定」を見直すには、国政や外交など政治の役割が大きい。
NTT労組の組織内である石橋みちひろ参議院議員は、当選以来一貫して、国会だけではなく、アメリカ民主党議員との接点も生かし、在日米軍問題をはじめ安全保障問題に取り組んでいる。
労働組合として、恒久平和の実現、核兵器の廃絶に向けた粘り強い活動とともに、石橋参議院議員のような議員を一人でも増やせるよう取り組んでいく。